2006年度 基礎ゼミ【知的システムデザイン研究室】

第1回ホームページゼミ

ゼミ担当者: 上村英里沙,橋本篤,牧野浩之
指導院生: 朝山絵美,平岩健一郎,西村悟
開催日: 2006年4月18日

1.ホームページ作成の意義とその注意点

1.1 知的システムデザイン研究室におけるホームページの目的

知的システムデザイン研究室では,ホームページを公開し,それを通じて研究内容や成果などの紹介を行っている.このようなことは,他の研究室でもよく行われていることであるが,本研究室ではさらに学生全員に各個人のホームページを公開することを義務付けている.そこで今回のゼミはホームページ作成のための最低限度の能力を身につけることを目的として行う.

なぜ本研究室ではホームページを公開することが義務付けられているのかを,以下に示す.

  • 自らの研究の成果を発信する
  • 学生は自らの研究を多くの人に知ってもらうため,積極的に研究内容やその成果を発信すべきである.研究成果の発信手段としては学会での発表などもあるが,学会での発表より身近で,気軽に誰でも見ることができるものとしてWebがある.また,Web上には我々が研究を進めていく上でも非常に役立つ情報が多く存在しており,逆に我々が研究成果を発信することは,他の誰かの研究に役立つと考えられる.さらに,自分の研究をWeb上で公開することによって,ほかの研究者からのアドバイスや質問といったフィードバックがあり,それが思いがけない収穫となる可能性もある.ただし自分の研究をWeb上で公開するということは自分の研究が不特定多数の人の目に触れることになるため,自分の研究に責任を持って発信することが重要である.

  • 互いの研究理解の手助けと交流促進
  • 学生同士はそれぞれ異なる研究を行っているため,他の学生の研究について詳しく知ることが容易でない.月例発表会などでおおよその研究内容が伝えられたとしても,それだけではその研究について深く理解することができない.そこで他の学生の研究や近況について,より詳しく知るためにホームページを用いる.また,それぞれのホームページ上に置かれたBlogなどを利用することにより,学生同士の交流促進にも役立つと考えられる.

  • 自らのアンテナを広げるツールとして
  • 現在のWebでは,キーワード検索型の巡回ロボットを使ったサーチエンジンが多く存在する.ロボット型のサーチエンジンは,巡回ロボットがページにアクセスしてキーワードを抽出し,サーチエンジンを作成している.つまり,自分のページは自然にサーチエンジンという百科事典の目次に掲載されるということである.前述のとおり,Web上に公開した自らの研究成果は,他の研究者の研究に役立つ可能性を有する.同じような研究を行っている研究者と情報交換を行うことは互いの研究活動にとって非常に有益である.このようにWeb上にホームページを公開するということは,インターネットというネットワークに自分のアンテナを広げるということになる.



    1.2 ホームページで情報発信することの意義

    Webは電話や手紙のように特定の相手にのみ情報を伝えるものではなく,また,テレビのように,与えられた情報をただ享受するだけのものでもない.Webは不特定多数の人との双方向メディアであるといえる.我々はこの一対多通信を可能にするWebを利用することにより,情報を受信するだけでなく,不特定多数の人に向けて自らの情報を発信できる.



    1.3 知的システムデザイン研究室におけるホームページ作成に関するガイドライン

    知的システムデザイン研究室には,ホームページ作成に関するガイドラインが存在する.知的システムデザイン研究室が所有するサーバ内に置かれるホームページは全てこれを遵守し,トップページからガイドラインへリンクも張らなければならない.このリンクを張ることにより,ガイドラインを遵守しているものとみなす.もしガイドラインに規定された事項を遵守しないためにトラブルが発生した場合,全責任はページを作成した個人に帰属する.このガイドラインは,後に述べる著作権に関するものや,いわゆるネチケットと呼ばれるネット上のエチケットなどを主に記したものである.「知的システムデザイン研究室におけるホームページ作成に関するガイドライン」のURLはhttp://mikilab.doshisha.ac.jp/dia/guide.htmlである.



    1.4 著作権について

    著作権とは,著作者が著作物に対して持つ権利である.著作権で守られている著作物を,著作者に無断で第三者に公開することは「著作権法」で禁止されている.ここでいう著作物とは,著作権法の中で「思想又は感情を創作的に表現したものであって,文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属するものをいう」と定義されており,文章,曲,歌詞,絵画,写真などはすべて著作権の対象になる.

    1.4.1 "Copyright ©の意味"

    著作権は英語でCopyrightといい,著作権を主張する際に良く"Copyright ©"と記される.著作権に関する代表的な条約にはベルヌ条約と万国著作権条約がある.前者は,著作権の発生に何ら手続きを要しない無方式主義を採用し,後者は"©"表示さえあれば著作権は保護されるという方式主義を採用している.日本は双方の条約に加入している.ベルヌ条約に加入している日本では"Copyright ©"と明記することに法律的な意味はないが,「これは著作権で守られています」という意思表示となる.しかし,万国著作権条約には加盟しているが,ベルヌ条約には加盟していない国々(2006年4月現在カンボジア・ラオスの2カ国)に対しては."©"を表示することに意義がある.

    1.4.2 著作権の取得

    特許権などは特許庁への申請が必要であるが,著作権は著作物を創作したり公表した時点で自動的に発生するものであるため,申請などの特別な手続きを行う必要はない.

    1.4.3 著作権の有効期間

    著作権の有効期間は原則として「著作者の死後(共同著作物にあっては,最終に死亡した著作者の死後)五十年」とされている.

    1.4.4 法人所有の著作権の有効期間

    法人や団体が著作権を持つ場合は「その著作物の公表後五十年」とされる.連載物は基本的に最終話(三年以上続編が出ない場合は最後の話を最終とみなす)を公表時とする.

    1.4.5 著作権以外の権利

    著作権を侵害しなくても,商品名や社名などに関する「商標権」,発明に関する「特許権」,芸能人の写真などに関する「パブリシティ権」,その他「肖像権」など,守らなくてはならない権利には複数あり,注意が必要である.

    1.4.6 著作権において知っておくべき事項

    「著作権法」は明記された文章であるが,その解釈はインターネットの普及などに伴い常に変動している.以下に知っておくべき点を挙げる.

  • 個人で楽しむために写真や絵を複製することは著作権の侵害にはならない.しかし,個人で楽しむ目的であっても不特定多数の人が閲覧可能なホームページに写真や絵の複製を掲載することは,著作権の侵害に当たる.


  • アニメなどのキャラクターの似顔絵をホームページなどで公開することも禁止されている.特にミッキーマウスなどのディズニーキャラクターは管理が厳しく,ミッキーマウスのシルエットだけでも訴えられるケースもある.


  • キャラクターの写真や映画のパンフレット,またCDのジャケットなどをホームページで公開することも禁止されている.


  • 「フリー素材集」など多くの著作物が「フリー」として公開されているが,その公開者がすでに他の人の著作権を侵害している場合もその著作物を使用することはできない.しかし,逐一「本当にフリーなのか」を確認することは不可能であるので,利用の際は細心の注意を払う.万が一警告を受けた場合,直ちに該当する素材の公開を取りやめ,謝罪のメールを送る等の措置が必要となる.


  • 人から受け取った電子メールを無断で第三者に転送したり,ホームページ上で公開することも著作権の侵害になる.


  • 海外の著作物の複製も,万国著作権条約・ベルヌ条約などの国際条約があり,加入国の間では著作権の侵害として禁じられている.また,海外の出版物の翻訳物を無断公開することも禁じられている.


  • 著作権侵害は犯罪であり侵害者は処罰される.ただし,被害者が告訴しなければ処罰されない.罰則は,最高で5年以下の懲役又は500万円以下の罰金である.


  • 著作物は「引用」であれば無断で行うことができる.引用する際は以下の4項目に注意する.
    1. 引用する必然性があり,その範囲も必然性があること
    2. 『』などで自分の著作物と引用部分が区別されていること
    3. 質的量的に自分の著作物が主であること
    4. 引用部分の出所を明記すること
  • 「このページへのリンクを禁止します」と明記されていても,リンク自体は法律的には違反ではない.しかし「リンクフリー」と明記されたページ以外へのリンクは,そのページの管理者に確認するのが礼儀である.


  • 著作権について不明瞭なことがあれば,著作権の保有者側にメールなどで問い合わせる.





  • 2.知的システムデザイン研究室におけるホームページの運用方法

    現在の知的システムデザイン研究室が使用しているWebサーバには,外部公開用サーバ(mikilab)と内部公開用サーバ(museion)の異なるサーバが二つある.ともにUNIX系OSとWindowsで動作が可能な"apache"というWebアプリケーションが利用されている.本節では上記の二つのサーバについて詳しく述べる.

    2.1 外部公開用サーバ(mikilab)

    外部公開用サーバは知的システムデザイン研究室内で行われている行事などをホームページを通じて外部に伝えるために設置されている.本サーバのウェブサイトのURLはhttp://mikilab.doshisha.ac.jp/である.ホームページ上には四つのコンテンツが存在し,詳細はTable 2.1に示す.またトップページをFig. 2.1に示す.

    Table 2.1 mikilabのコンテンツ
    コンテンツの種類 説明
    トップ 知的システムデザイン研究室ウェブサイトで最も上位に位置するページ
    ニュース ブログを通じて,知的システムデザイン研究室で行われた行事などを紹介(ウェブジャーナル)
    メンバー 知的システムデザイン研究室の教員・OB/OG・現在のメンバーおよび研究テーマの紹介
    研究内容 知的システムデザイン研究室で行われている研究活動・月例発表会などの紹介
    Fig. 2.1 mikilabのトップページ

    2.2 内部公開用サーバ(museion)

    内部公開用サーバは知的システムデザイン研究室内部からのみ閲覧可能なサーバである.研究室のプライベートな情報や研究室関係者へのマニュアルなどがコンテンツとして存在する.URLはhttp://museion/である.コンテンツの詳細はTable 2.2に示す.またmuseionのトップページをFig. 2.2に示す.

    Table 2.2 museionのコンテンツ
    コンテンツの種類 説明
    共有フォルダ 研究資料やその他の研究室で共有しているデータを集めたフォルダ
    管理者関連 ・技術報告
    ・管理者用語
    ・各マシンの作業報告
    ・テンポラリIP貸出表
    ・ドメインネーム表
    研究室内向けドキュメント プログラム設備などにおけるマニュアル集
    ・環境構築用資料
    ・研究室基礎事項マニュアル
    ・機器利用マニュアル
    ・TeX
    ・パラメータDBスクリプト
    ・Gregorユーザマニュアル
    ・バックアップマニュアル
    ・Eclipseからのcvsの利用方法
    ・Movable Typeのセキュリティー対策
    メーリングリスト 各年度の重要メールの一覧表
    Laboratory Assistant LAの仕事内容
    役割 各年度の役割一覧表
    データベース データベース集
    ・各研究班における文献データベース
    ・マシンデータベース(マシン・備品・書籍)
    ・文献データベース
    ・各年度の住所録
    Teaching Assistant 各年度のTA一覧表
    Photo Gallery 知的システムデザイン研究室内でのイベント等の写真集
    マシンについて ・クラスタの使用状況
    ・マシンのロードモニター
    Fig. 2.2 museionのトップページ





    3.サイボウズの利用方法

    3.1 サイボウズとは

    知的システムデザイン研究室では,サイボウズというシステムを利用して教員学生及び設備の日々の予定管理を進めている.具体的には,各個人の日々の予定を更新したり会議等で使用する会議室を予約したりするなど,予定の調節やその連絡を行っている.

    3.2 サイボウズの具体的な利用方法

    以下にサイボウズの具体的な利用方法について示す.

    3.2.1 ログインとログアウト

    サイボウズを利用するためには,まずFig. 3.1に示すようなログイン画面(http://duke.doshisha.ac.jp/cbag/)に入り,ログイン名とパスワードを入力して共有サーバへとログインする必要がある.初めてログインする際には管理者から与えられたログイン名とパスワードを入力する.はじめはログイン名とパスワードが同一であり,他のユーザからのログインが可能であるので,最初にログインした際には必ずパスワードを変更する.


    Fig. 3.1 ログイン画面

    ログアウトを行うためには,Fig. 3.2にあるように”ログアウト”をクリックする .


    Fig. 3.2 トップページからのログアウト

    3.2.2 個人設定


    ■パスワードの変更

    3.2.1項で述べたように初めてサイボウズにログインする際は,ログイン名とパスワードが同一である.そのため,個人のアカウントが他者に知られてしまう恐れがあるので,最初にログインした際に必ずパスワードの変更を行う必要がある.ここでその手順を説明する.まずFig. 3.2に示す画面がトップページであるが,この画面の右下にある”パスワードの変更”のアイコンをクリックする.


    Fig. 3.3 トップページの”パスワード変更”

    Fig. 3.4に示すような画面で,変更したい新しいパスワードを2つのテキストボックスに入力する.次にその下にある”変更する”ボタンをクリックするとパスワードの変更が完了し,自動的にトップページの画面に移る.以上でパスワードの変更は終了である .


    Fig. 3.4 パスワード変更画面

    ■トップページのカスタマイズ

    トップページのカスタマイズを行うことで,全体または各個人が設定したMyグループ(後述する)のメンバーの予定を一括して閲覧することができる.ここでトップページのカスタマイズについて説明する.まずトップページの右下の”個人設定”をクリックし,”詳細設定”タブを選択すると,Fig. 3.5に示すページが表示される.次にトップページ”アイコンをクリックすると,Fig. 3.6に示すページが表示される.ここでトップページのカスタマイズを行うことができる.


    Fig. 3.5 詳細設定タブの”トップページ”アイコン


    Fig. 3.6 トップページ設定画面の”スケジュール”リンク

    そしてFig. 3.6の”スケジュール(固定)”リンクをクリックすると,Fig. 3.7に示すページ(パーツ変更)が表示される.Fig. 3.7の中段にある表示方法の中から,各個人がログインした際に表示させたいグループを選択し,”変更する”をクリックすると,自動的にトップページに移り,変更したグループの予定を閲覧することができる.


    Fig. 3.7 トップページのカスタマイズ方法

    ■Myグループの設定

    トップページのカスタマイズでは,既存のグループとから選んだものをトップページに表示するように設定した.ここでは各個人で任意のグループを作成する方法の説明を行う.まずトップページの”個人設定”から個人設定の画面に移り,”Myグループ”をクリックするとFig. 3.8に示すページが表示される.


    Fig. 3.8 ”Myグループ”の設定

    Fig. 3.8の”追加する”をクリックすると,Fig. 3.9に示すページが表示される.ここでMyグループ名を入力し,所属するユーザの中からMyグループに所属させたい人を選択し,”←追加”ボタンをクリックすることで,登録することができる.またグループから除く場合は”削除→”ボタンをクリックすることで,削除することができる.最後に”追加する”ボタンをクリックすると自動的にトップページに移り,Myグループの設定が完了する.Myグループの設定を行うと,トップページのカスタマイズで自分で作成したグループを選択することができる.


    Fig. 3.9 Myグループの設定方法

    ■スケジュール

    スケジュール登録の仕方について説明する.Fig. 3.10に示すようにトップページのメモ用紙のアイコンをクリックすると,Fig. 3.11のような画面に移る.この画面に日付・時刻・予定をプルダウンから選択し,参加者を追加することで,その追加した参加者全員もスケジュールが登録される.最後に”登録する”をクリックして完了する.


    Fig. 3.10 スケジュール画面へのアイコンの場所



    Fig. 3.11 スケジュール登録の方法


    ■ファイル管理

    ファイル管理の機能について説明する.この機能を利用することでファイルの共有が可能となる.ますトップページの”ファイル管理”をクリックすると,Fig. 3.12に示すページが表示される.


    Fig. 3.12 ”ファイル追加”と”フォルダ作成”

    ファイルやフォルダを作成したい場所で”ファイル追加”または”フォルダ作成”をクリックすると,Fig. 3.13に示すページが表示される.ここでファイル名またはフォルダ名に記入して”追加する”ボタンまたは”作成する”ボタンをクリックして完了する.なおファイルの追加は,参照ボタンをクリックすることによっても設定できる.


    Fig. 3.13 ファイル追加画面






    4.課題

    4回生は,5月15日までに各自でホームページを作成しなければならない.HTMLを学習するいい機会なので,ホームページ製作のソフト(例:IBM社のホームページビルダー等)を用いないことをお勧めする.以下に参考となるページのURLを挙げる.

  • 「とほほのWWW入門」 http://www.tohoho-web.com/
  • 「Academic HTML」 http://www.tg.rim.or.jp/~hexane/ach/
  • 「ホームページ作成無料リンク集」 http://www.sumnet.ne.jp/domp/hplink/
  • 「ホームページ作成ガイド」 http://siriasu.s10.xrea.com/wg/