工学的あるいは社会的な問題の解決は新しいシステムを導入することで行われる.そのようなシステムは大規模化し,複雑化しており,もはや人間が直感的に捉えることが困難になってきた.本講義ではそのような複雑なシステムを設計・開発するときに必要な科学的手法,すなわち対象のモデル化,シミュレーション,最適化,適応化,および知的化などを学ぶ.特に,知能を持つシステムの開発や,知的なシステム開発の方法は将来の工学を考える上で最も重要な論点となる.これらは新しい人工物のデザインの科学である.この科学を学ぶことで,システムエンジニアは何を,何のために,どのように,どの手法を用いて,どこまで,そしてどのような態度で行うのがベストであるか,ということが分かるようになる.