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BiBTeX入門(1) TeXでの参考文献の引用方法 |
4月の月例発表会のスタイルファイルでは,本文中に直接参考文献を記述していましたが,この方式では再利用が難しくあまり効率がよいとはいえません.そこで,TeXの本文とは別に文献のデータ ベースファイルを作成し,そこから本文に引用するということを考えます.
このドキュメントでは,まず,データベースファイルの作り方について説明し,次にTeX の文書へ の引用の仕方を説明します.
1.1 文献データベース
ここで言う,文献データベースとはAccessのような本格的なデータベースという意味ではありません.文献を特定の書式に則って並べたテキストファイルのことを指します.文献データベースファイル(bib ファイル)のファイル名は拡張子をbib にします.
これは,文献=bibliographyの綴りからとったものです.たとえば,GA.bib, SA.bibといった具合にデータベースファイルを作成し,関連のある文献の情報を書き込んでいきます.具体的には次のような書式で,@bookの中に,参照名(ラベル),著者名,書名,出版社名,出版年などを書いておきます.
@book{伊藤, |
<- 参照名 |
author = "伊藤斉志",
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<- 著者名 |
yomi = "Seiji Ito",
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<- 読み仮名 |
title = "遺伝的アルゴリズムの基礎",
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<- 書名 |
publisher = "オーム社",
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<- 出版社名 |
year = 1995,
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<- 出版年 |
} |
@book{miki:internet, |
author = "三木光範",
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yomi = "Mitsunori Miki",
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title = "団塊世代はなぜインターネットが苦手か",
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publisher = "講談社",
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series = "ブルーバックスB-1202",
|
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note = " ",
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year = 1998 ,
|
} |
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上の例は参考文献が書籍であった場合の例ですが,参考文献が雑誌の記事であったり,ホームページであったりするような場合にはそれぞれ書式が異なります.
図のように書籍のデータには参照名(ラベル),著者名・・・など様々な属性がありますが,この中には必ず記述しなければならないものと,記述しなくてもよいものの2通りがあります.書籍の場合には著者名,書名,出版社名,出版年は必ず記述しなければなりませんが,シリーズ名や巻数などは,記述しなくてもかまいません.この辺りの細かい話は後でまた述べることにして,次にTeXの本文 に引用する方法を説明します.
1.2 参考文献の引用
先ほどの,図の文献データベースファイル(bib ファイル)をsample.bibというファイル名で保存したとして,話を進めていきます.本文のTeX文書ファイルは次のように記述します.
\begin{document}
遺伝的アルゴリズムについては,伊藤~\cite{伊藤}に詳しく述べられている.
団塊世代がインターネットの利用に抵抗感を持つことが,報告されている.~\cite{miki:internet}
\bibliographystyle{jplain}
\bibliography{sample}
\end{document} |
このように,引用したい場所に\cite{(参照名)}という書式で記述します.また,\end{document}
の前に,
\bibliographystyle{jplain}
\bibliography{sample} |
と記述します.\bibliography{ } の中には文献データベースファイル名が入ります.(ここでは,sample.拡張子のbibは必要ありません) この状態で,いつも通りに文書をコンパイルすると次のように出力されるはずです.
遺伝的アルゴリズムについては,伊藤[1] に詳しく述べられている.団塊世代がインターネットの利用に抵抗感を持つことが,報告されている.[2]
参考文献
[1] |
伊藤斉志. 遺伝的アルゴリズムの基礎. オーム社, 1995. |
[2] |
三木光範. 団塊世代はなぜインターネットが苦手か. ブルーバックスB-1202. 講談社,1998. |
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以上が,文献データベースファイルを用いた参考文献の引用の概要です.
次に,秀丸のマクロを利用した文献データベースファイルの作成について説明します.
文責:
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