ホスト一覧統合管理システムupdate-cluster[1]は, 統合的にホスト一覧情報を管理するためのシステムである.
update-clusterはクラスタに所属するホスト一覧をXMLファイルで管理し, そこから各クラスタソフトウェアの設定を自動的に生成する 機構を持つ. クラスタの管理者を各ソフトウェアのための設定を それぞれ作成するための手間を簡略化し, またクラスタの構成が変わったときに 新しい設定をすぐに利用できるようにすることを目標とする.
update-cluster システムの中心として, cluster.xml設定ファイルがある. このファイルは,クラスタ内にあるコンピュータの一覧である. 構成としては,各ホストに対して, ホスト名,IPアドレス,そしてMACアドレスを保持する. Figure. 1にその例を示す.
update-clusterシステムでは, この一つのファイルをクラスタの管理者が作成する. 実際に設定ファイルを生成するためには, update-cluster-regenerateコマンドがある. update-cluster-regenerate allコマンドを実行すると, /usr/lib/update-cluster/*.updatelistファイルを 全部実行する. それぞれのファイルは,各ソフトウェアの設定ファイルを生成するための sh スクリプトである.
例えば,dsh[2]の設定ファイルをcluster.xmlから 自動生成するための dsh.updatelistファイルは,Figure. 2のような内容になる.
#! /bin/bash /usr/bin/update-cluster-parseconfig hostname < /etc/update-cluster/cluster.xml > /etc/dsh/machines.list
update-cluster-parseconfigとは,ヘルパープログラムで, updatelistスクリプトが利用するAPIである. 指定されたフィールドを空白くぎりのテキスト形式で出力する. 例えば,update-cluster-parseconfig host ipと指定した場合の 出力例をFigure. 3に示す.
uekawa 192.168.0.1 thunder 192.168.0.2 vorn 192.168.0.3
また,update-cluster-regenerateは, オプションを指定する事により, そのファイルのみを生成することができる. update-cluster-regenerate dshと指定すると, dsh.updatelistのみを実行し,dshの設定ファイルのみを再生成する.
また,もう一つヘルパープログラムとして, update-cluster-removeというものがある. 指定したパラメータのホスト以外を出力するというもので, XMLを入力すると,XMLを出力する. update-cluster-remove --ip 192.168.0.1と指定すると, IPが192.168.0.1でないホストの一覧がXMLで出力される.
以上の機構を用いて,スムーズに cluster.xmlファイルから設定ファイルを生成することができる システムをupdate-clusterは構築している. LAMや,MPICH,MOSIX,DSH,RARPD等のソフトウェアが update-clusterに対応している.
update-clusterシステムは,cluster.xmlファイルから 各設定ファイルを生成するシステムである. では,cluster.xmlファイルを 作成の方法としては, debconf インタフェースによる手動入力と, update-cluster-addコマンドによる 一台づつの追加,もしくはemacsなどのエディタを利用した 手動入力の方法がある.
しかしながら従来の方法はMACアドレスを人間が入力することを 強いていたるするためにあまり親切な方法ではなかった. そこで,今回MACアドレスの自動収集機能をupdate-clusterに追加した.
update-cluster-maccollectは,MACアドレスを収集し,適当な ホスト名を連番で作成するというソフトウェアである. 実行例としては, update-cluster-maccollect --prefix pc --ipprefix 192.168.0. --domainsuffix .cluster --interface eth1 と指定して実行すると,二枚目のイーサネットインタフェースにながれる パケットを監視し, そこでcluster.xmlにすでに入っていないMACアドレスを発見したら, それを IP 192.168.0.1,ホスト名 pc1.cluster としてcluster.xmlに 登録するというものである.
この実装によりいままでのこのシステムの弱点であった 設定の面倒さが解消されたと考えられる.
update-clusterシステムの概要と,今回追加した 機能についての説明を行った. update-clusterシステムは,クラスタ内で利用する場面でも, クラスタとは関係無い部分で利用する場面でも, 設定ファイルの自動生成を行ってくれる便利なシステムである.
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