DNASモニタリングシステム,RNASシステムの実装

上川 純一,廣安 知之,三木 光範

ISDL Report   No. 20020408001

2002年9月14日

Abstract

DNASシステムをモニタリングするためのシステム,Remote Network Application Service (RNAS) の基本部分の実装を行った.その概要について説明する

1  はじめに

Distributed Network Applicattion System (以下 DNAS)[1]は, ネットワークベースでアプリケーションを実行するためのシステムである. 分散したノード間の通信を階層的に制限して行う. DNASネットワーク上のDNASアプリケーションはDNAS APIを利用して通信を行う. 各ノードが非同期に動作し,アプリケーションはDNASネットワークを介して情報パケットを交換する. その非同期かつ独立な通信ネットワーク上で交換されているパケットの情報は マスターノードにアクセスすることにより情報を取得できる. 従来この情報は未加工でユーザに提供されていた. この情報を加工し,プレゼンテーションするために必要な手法について検討する. その実装の一段目としてRNAS-dumpソフトウェアを実装する.

2  RNAS システムの目標

RNAS システムは,DNASシステムのマスターノードから取得できる情報を 取得し,ユーザに視覚的にプレゼンテーションするためのシステムである. 現在そのためのアプリケーションとして,負荷モニタGTK+インタフェース版と 負荷モニタHTMLインタフェース版と負荷モニタXMLインタフェース版が存在する. これらは負荷情報をDNASシステムから抽出することを専門としており, 一般に適用できるような構造にはなっていない. また,新しい項目をモニタするようにするための拡張が容易に行えるようには設計されていない.

ここで,RNASシステム構築の目標としては, DNASネットワークで通信されているもので, ユーザが指定する情報をユーザが指定する方法で表示するための システムの構築とする.

3  RNAS dump ソフトウェアの実装

RNASシステムの設計の基盤としてRNAS dumpというアプリケーションを実装した. RNAS dumpは,DNASサーバに接続し,RNAS dumpを実行時に設定した項目に関して, DNASサーバに要求し,その要求をした結果を画面に出力する,というアプリケーションである. テキスト版(Figure. 1)とXML版(Figure. 2)があり, それぞれテキスト形式とXML形式で出力する.

Figure 1: RNAS-dump テキスト版の出力例

Figure 2: RNAS-dump XML版の出力例

このソフトウェアを利用して,実際に遺伝的アルゴリズムアプリケーションの 探索状況のモニタリングを行い, RNAS-dumpで取得できたデータを利用してグラフを作成することができる.

4  RNAS dump ソフトウェアの利用方法

RNASは,DNASのマスターノードに接続して情報を取得する(Figure. 3). DNASのマスタ−ノ−ドは各子ノ−ドから送信された情報を全部保持していて, その情報は接続してきたクライアントに対して 送信される. RNASはクライアントとしてDNASのマスタノ−ドに接続することにより, 情報を取得し,RNASのユ−ザが要求する出力をそのデ−タの中から抽出する.

Figure 3: RNASがDNASに通信するモデル

rnas-dumpプログラムを実際に利用する際には,

rnas-dump -c DNAS情報ポート番号 -pDNASマスターノード名 -- 情報タグ [情報タグ]* 

という形式でコマンドを実行する. 例えば,

rnas-dump -c 3029 -p cambria.doshisha.ac.jp -- load1 ga2k

とうちこむと,cambria.doshisha.ac.jpホストの3029番ポートに 接続し,load1ga2kというタグがついてある情報 の一覧を生成せよ,という指示になる.

4  システムの今後

このシステムは現在テキストベースの単純な出力しかしないため, プレゼンテーション,デモなどに利用するのには貧弱な出力しか提供しない. 得た入力をグラフに加工する,などの処理は一般的な処理なので, 汎用のプログラムとしてグラフ化RNASモジュールを作成することが可能であると 思われる. また,GTK+等のインタフェースを作成し,リアルタイムに DNASアプリケーション,例えばDNAS上の進化的アルゴリズムの進化状況等が モニタリングできるようにすると, 分かりやすいデモの構築,探索状況や傾向の視覚的確認に役立つだろうと考えられる.

Reference

[1]
上川 純一, 廣安 知之, 三木 光範, 谷村 勇輔,「動的な階層型システムにおける最適化計算法の検討」, 情報処理学会研究報告 2002-HPC-91, Vol. 2002, No. 80, pp. 179-184 (2002)


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