下半身下着

先日,「変わりゆく言葉」のページを見たある女子学生から《さるまたってパッチのことですか?》という質問が届きました.そこで,ちょっと調べてみたので...

それにしても,下半身下着とは創造性豊かな言葉ですね.

さるまたとは猿股と書き,猿回しの猿にはかせた猿股引(ももひき)きから生じた言葉です.腰から股を被うズボン型の男性用下着のことです.

一方,股引きとは
1.保温のためズボンの下にはく男性用下着
2.細いズボン状の男性用衣服
で,

パッチとは
股引きのことで,朝鮮語から来たそうです.

という訳で,結論的にはさるまたと股引きとパッチは類似のものと考えられます.ただし,時代や地方によって,それぞれの使用法があると思います.私の意見では,股引きとさるまたは同じで,昔のアンダーパンツ(ショーツ)であり,生地は木綿(コットン)の普通の織り方ではなく,メリヤス(スペイン語から来たもので,伸縮性のある織り方)です.しかも長さは短い.しかし,パッチは冬にはく保温用の長い下着で,これは股引きと呼ばれることはありますが,さるまたとは呼ばれないと思います.

結局,分類すると,猿股,股引き,パッチは,いずれも男性下半身用の下着であり,猿股は短いもの,パッチは長いものとなり,股引きはどちらにも使うのではないでしょうか.

ちなみに,パンツとは
1.ズボンのこと
2.ズボンの下にはく下着
として日本語で用いられており,これは英語でも同じです.辞書で調べると,
1. Trousers. Often used in the plural.
2. Underpants. Often used in the plural.
という説明があります.

ちなみに,ショーツとは日本語では
1.短いズボン
2.女性用の下半身の下着
ですが,英語ではshortsは
1.Short trousers extending to the knee or above.
2.Men's undershorts.
であり,1は同じですが,2では男性用と女性用の違いがあります.

ここまで来ると言葉はそもそもあいまいで,関係する人々の間で共通の認識があれば良いと割り切ってしまわないと,どこまで辿っても迷路です.


それでは,言葉について,面白い話題があれば教えてください.お便りは三木まで.